3/21 覚悟

戦争の報せ。



どう、しよう。

バイトに行こうとして、校門の前を通りかかったところで第一報を聞く。



…戦争。
嫌な単語だ。


カフェに入り、皆に手短に伝える。
皆の中には何度かの戦争を経験している奴も居るのだろう、
戸惑いではなく決意、覚悟、闘志。それがしっかりと感じられた。




私は？




私はどうしよう。
どうするべきだろう。



血の中で何かが滾るのは感じている。


ゴーストどもを心置きなく嬲ることが出来る。
ぬいに仇なす存在全て。全て。全て。


でも




ぬいは此処に居ない
ゴーストを甚振ったからといってぬいの心が元に戻るわけじゃない
ぬいがもう一度私を見てくれるわけじゃない






見ない振りをしてきた真実に、胸が締め付けられる。
直視しまっては戦うことが、敵と対峙することが…怖い。



怖くなりたくないから

忘れたいから

私の所為じゃないと思いたいから

逃げるように戦ってきただけ



ぬいのために戦えない。

父と母に口煩く言われた言葉が脳裏を過ぎる。


「他人や環境の所為にして良い事などひとつもない」

「何の為に何をするのか、自分で考えなさい。それが出来ないのなら占いなどするべきじゃない」


その言葉に　うん　と頷けない

怖い。